「マジックキャッスル」と検索すると、最近は同名の無料ゲームの情報が多数ヒットしてしまいますが、マジックファンにとってはもちろん、この名前で最初に出てくるのはハリウッドにあるマジックの聖地、ですよね。
今回ご紹介いたしますトランプは、その会員制クラブ「マジックキャッスル」で売られているおみやげデックです。
かなり古くから売られているデックで、多くのマジシャンにも使われているものです。
やはりマジックキャッスルという関係からか、ダイ・バーノンの弟子系統の人たちなど、キャッスルに関連の深いマジシャンがよく使っている印象でしょうか。
個人的にこのデックを使っているマジシャンとして印象に残っているのは、マイケル・アマーやラリー・ジェニングスなどです。
とくにマイケル・アマーはVIDEONICSの映像作品群、Vernon Revealationsなどでこのカードを使っていました。
氏の演技を見てそのトランプが気になったあたりから、わたしはマジックキャッスルデックが好きになった気がしています。
マジック・キャッスル・デックのカード
わたしはマジックキャッスルデックが好き、と言いましたが、何をおいても好きなのはそのバックデザインです。
品質がよくて手ごろな値段なら、これを常用のレギュラーデックにしたいぐらいなのですが・・・
これがカードのバックデザインです。
マジックキャッスルの建物の外観が上下対称に配されています。
この、あまりに絵柄が勝ちすぎていない、なおかつ抽象的過ぎもしないような絶妙なバランスのデザインが大好きです。
上下の”Magic Castle”の文字も控えめでいいですね。
スペードのAはバイスクルと同じ、ジョーカーもバイスクルと同じですが、エクストラジョーカーのほうはインデックスが星に円のマークになっています。
その他のカードはバイスクルと同じですが、赤色が少し明るいです。
このカード、エンボスがほとんどありません。
上の写真のように、若干の凹凸はあるものの、バイスクルやホイル等のいわゆるエンボスとは違いますね。
昔のCaravanのカードなどが、こういう感じだったのかな、と思います。
エンボスがないせいもあるのでしょうか、カードの滑りはかなり悪く、品質的な持久力にも欠ける感じです。
上のスプレッドはほぼ未使用、下のデックは、それなりに結構使い込んだ状態です。
マットの上でこの状態というのは、かなり良くないですね。
ちなみにこの写真は非常に使い込んだバイスクルと比較したところ。
このバイスクルは、下のマジックキャッスルデックより遥かに使い込み、写真では分かりにくいでしょうけど実演では到底使えないほど汚れたデックです。
それでも、下のキャッスルと比べると格段に綺麗に広がります。
マジックキャッスルデックのケース
私が持っているマジックキャスルデックは2個なのですが、ケースのデザインが異なっています。
左のケースは、一般的な紙製デックのケースのつくりで、カードのバックデザインが箱にも印刷されています。
右のケースは、ゴールド色のインクを使った箱で、普通の米国製カードとはずいぶん異なる印象です。
これは箱の反対側。
手前のほうは、反対側も同じカードのバックデザインです。
もうひとつのほうは、これは印刷ではなくて箱にカードそのものが貼り付けてありますね。
こちらのケース、側面に「CARTES A JOUER」と書かれています。これはフランス語でしょうかね。もしかしたらヨーロッパ仕様のデックなのかもしれません。
ちなみに手前のデックに書かれたサインは、ホワン・タマリッツ氏のものです。
FISM横浜のときだったかな?にいただきました。
両方のケースの底面。
どちらも”International Playing Card Company”の製造となっていますね。
ケースは異なりますが、中身の品質は同じような感じです。
マジックキャッスルデックの製造会社について
わたしが持っているマジックキャッスルデックは2つとも”International Playing Card Company”製となっていますが、現在マジックショップなどに出ているものは、ポールソンという会社によるものみたいですね。
そちらはケースのデザインや、ジョーカーの絵柄なども”International Playing Card Company”製とは異なっています。
それ以外に、2012年限定仕様ということで、今回紹介のものとは異なるバックデザインのカードが、US Playing Card社より出ています。
この2012年版マジックキャッスルデックのデザインは、賑やかで意欲的なデザインで悪くないですが、個人的にはこの旧タイプのほうが好きですね。
過去にはUS Playing Card社から、旧デザインのマジックキャッスルデックが出ていたこともあったようです。
その後の別メーカーによる製品については、現行のポールソン製も含めて、概してマジシャンにはあまり評判が良くないみたいです。
わたしも最初に手に入れたとき、多くの有名マジシャンに愛されたカードにしては、品質的にイマイチだと思っていました。
もしかすると、最初に書いたようなマイケル・アマーやラリー・ジェニングスらが愛用したマジックキャッスルデックというのは、US Playing Card社のものだったのかも知れません。
現在のマジックキャッスルデック、品質の良し悪しなのか、カードの個性として評価すべきなのかは分かりませんが、少なくともあまりマジック向けのカードではないのは確かですね。
フラリッシュには向いているという意見もありますけどね。パケット分割系のフラリッシュには確かに悪くなさそうではあります。
しかしやっぱりマジックの聖地マジックキャッスルのデックですから、カードマジックに最適な品質であってほしいというのは正直なところです。
再びUS Playing Card Companyが手がけて、リーズナブルな値段で出してくれたら、愛用デックのひとつに加えたいところですけどね。
このデックのバックデザイン、ワンウェイなの御存知ですか?
はい、一応それは知ってはおりまして、確か昔どこがそうなのか教えてもらった気もするのですが忘れました^^;
どの部分なのかご存知ですか?
新デザインはもっと分かりやすいワンウェイですが、これはそこまで明白なものでもないですよね。
屋根の左側の煙突(アンテナ?)ですね、2本と1本になってます。
あぁ~、なるほど。
これは、知らないと分からないですね。
ありがとうございました。
そういえば・・ヨーロッパの古城でよく見られる円錐形の尖がった屋根の名称って何と呼ぶのでしょう? Shanla Type2 さんは建築に詳しそうですし、ご存知でしたら教えて頂けますか。
円錐屋根のある塔自体は、通常は単に尖塔と言いますが、その屋根部分だけを一言であらわす言葉はちょっと知りません^^;
また尖塔というのは円錐に限らず、尖った塔全般ですね。
屋根そのものは、円錐屋根、とかいう表現が多いような・・・
イスラムのモスクにある尖塔は、ミナレットといいますけど、これも屋根ではなく塔全体の名称ですね。
なるほど、ありがとうございます。古城についての書籍は旅行ガイドがほとんどで、要塞としての利用価値や目的についての解説本がなく、調べようがなく苦労してます。(関係ない話題ですみません)
いえいえ、関係ない話題でも大歓迎です。
古城といえば、わたしは最近シリアにあるクラク・ド・シュヴァリエが気になっているのですが、とてもじゃないけど観光に行けるような情勢ではないですね・・・
もしかして、マジックキャッスルで演じた事があるのですか?
えっ、全然そんな経験無いですよ。
アメリカ自体にさえ行ったことが無いくらいです。
このデックそのものは別にキャッスルに行かなくても、いくらでも購入機会はあります。
マジックショップとかコンベンションとか。