ここではコインマジックにおけるナ行の用語を紹介します。
人名・奇術の作品名や書名などは扱わないものとしますが、ジャンル名となっているような古典的な奇術名については扱うものとします。
基本とは言えない技法についても、なんでもかんでも扱うと膨大な数となるので、筆者の主観にてある程度重要と思われる技法や用語を、取捨選択して紹介します。
また、コインマジックだけでなく奇術全般に当てはまる専門用語は、カードマジックの項目に含めて記載します。
ハで始まる言葉
ハイ・フィンガー・パーム
フィンガーパームを、指の高い位置で保持するもの。指の第二関節あたりで保持する。
バック・サム・パーム
サム・パームと同じ位置で、コインが手の裏側(甲側)に隠れるようにして、手のひらを観客に示すことの出来るパーム。
バック・パーム
伸ばした指先の裏側(甲側)でコインを保持するパーム。フロント・パームと裏表逆になる位置。
パス
手から手へコインを渡すこと、または、渡したように見せかけて消すことを言う。後者の場合は、フェイク・パスと同義。
パース
小銭入れのこと。がま口タイプのものが、コインマジックではよく使われる。
パース・パーム
指をまっすぐに伸ばした状態で指の付け根にコインを隠すパーム。
パースを使った古いコン・ゲーム(いかさま賭博のようなもの)に使われたことから付いた名前。
ダイ・バーノンのスペルバウンドに使われた。
パース・フレーム
がま口の小銭入れの、口金だけの状態のもの。
口金だけしかないにも関わらず、その中からコインやスポンジボール等が出てくる、という演技に用いられる。
バニッシュ
コインを消す技法の総称。
バーバー・ハーフ・ダラー
1892年から1915年にかけてアメリカで鋳造された50セント銀貨。
コインマジックではソフトコイン(磨り減ったコイン)としての利点を生かすために使われることが多い。
詳しくはバーバー・ハーフ・ダラーの記事参照。
ハラダ・ホールド
コインを隠した状態で、5本の指を完全に開いて、裏表に何も無いように見せるホールド。原田大樹氏の考案。
パーム
コインを手に隠し持つ技法の総称。隣接的な概念を示す言葉として、ホールド、グリップ、ポジション、ピンチといった用語も使われる。
パーム・チェンジ
パーム・スイッチとも言う。指先のコインと、クラシックパームしているコインを片手で入れ替える技法。
ハン・ピン・チェン・ムーブ
両手のコインをそれぞれ改める過程で、任意の枚数のコインを密かに移動させる技法。ハン・ピン・チェンという名の中国人マジシャンによって西欧に紹介された。
パンプキン・シード・バニッシュ
コインを指先につまんで、反対の手に握り渡して消すバニッシュ技法。スリービングの一種で、ミルトン・コルトの考案。
パンプキン・シードとは、「かぼちゃの種」の意味。
ヒで始まる言葉
ピック・アップ・ムーブ
カードの下に置いたコインを、カードをつまみあげる動作で消したように見せる技法。マトリクス現象でよく使われる。
アル・シュナイダー、デレック・ディングルの考案。
ピース・ダラー
1921年~1928年と、1934年~1935年の間鋳造された、アメリカの1ドル銀貨。
コインマジックに使われることは、モルガンダラーなどと比べると少ないように思われる。
フで始まる言葉
フィンガーチップ・レスト・ポジション
フィンガーパーム、クラシックパーム、サムパームといった各種パーム遷移の中継として頻繁に用いられるポジション。中継としてではなくこのポジションをそのまま用いる場合もある。
フィンガー・パーム
指を曲げてコインを隠す、最も基本的なパームのひとつ。コインの位置によって、ハイ・フィンガー・パームやロー・フィンガー・パームなどのバリエーションがある。
フィンガー・パーム・バニッシュ
フィンガー・パームを用いたバニッシュ。
フェイク・パス
コインを手から手へ渡したように見せかけて、実際には渡していない技法。偽の受け渡し。
フォールディング・コイン
ギミックコインの一種で、主に口の狭いボトルにコインを入れるマジックなどに使われる。
フック・コイン
ギミックコインの一種で、コインに小さな針が付いているもの。この針を使って衣服などに引っ掛ける。
ブラフ・バニッシュ
コインを消す技法だが、その名の通りブラフ(はったり)を効かせたやり方。
フリック
コインをおはじきの要領で弾き飛ばす技法。
フリッパー・コイン
ギミックコインの一種で、2枚のコインを瞬時に1枚にすることができるギミック。移動や貫通系のコインマジックによく使われる。
フリクション・パス
複数枚のコインを手から手に投げ渡し、密かに1枚を残す技法。ジョン・ベンザイスの考案。
フレンチ・ドロップ
指先でコインのエッジを持った状態で、反対の手でつまみとってコインを消す技法。ターニケット・バニッシュと同じ。
またスパイダー・グリップ・バニッシュもこの技法の派生形である。
フロント・パーム
伸ばした指先の内側でコインを保持するパーム。バックパームと裏表逆になる位置。
ヘで始まる言葉
ホで始まる言葉
ポップ・アップ・ムーブ
親指を上に縦にした握りこぶしの上から、1枚ずつコインを置いて順番に握ってゆく過程で、任意の枚数のコインを反対の手に残す技法。
元々はボールで行われる技法だったが、ラリー・ジェニングスがコインに応用して以来、コインマジックでもポピュラーな技法となった。
ボボ・スイッチ
JBボボによって考案されたスイッチ(すり替え)技法。
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