コインマジックにおいて標準的に使われるコインのひとつ、イングリッシュペニーのご紹介です。
コインマジックで最も標準的に用いられるコインは以前の記事でも述べましたように、アメリカの50セントコイン、ハーフダラーです。
ハーフダラーは銀貨ですが、コインマジックでは2種類、3種類のコインを用いる作品も多く、銅貨・真鍮貨といった、銀貨と見た目が対照的なコインが併用されます。
その中でもコインマジックに使われる銅貨として広く用いられているのが、イングリッシュペニーです。
イングリッシュペニーとは
イングリッシュペニーとは、イギリスのペニーということで、ポンドの1/100の通貨単位です。(過去は異なったようですが)
アメリカやカナダのドルとセントの関係と同じですね。
ちなみにアメリカの1セント硬貨もペニーと呼びます。
上記のイングリッシュペニーはちょっと(かなり?)錆びて古びた感じですが・・・新品はピカピカです。
まあ材質に関しては、10円玉と同じようなものだと思ってもらえば良いでしょう。
2012年6月現在、1ポンドは1ドルよりも高いですが、それでも120円程度ですので、その1/100が1ペニーとなると、まあざっくり1円みたいな感覚ですよね。
それにしてはえらく大きくて立派なコインですが・・・
ありふれたコインですので、日本の普通のコインショップで、1枚100円~200円程度で購入できます。
なおコインマジックで一般的に使われるイングリッシュペニーは、1954年~1970年に発行されたものだということです。
現在流通している1ペニーコインは、もっと小さいコインとなっています。
なぜイングリッシュペニーを使うか
コインマジックでイングリッシュペニーがよく使われる理由は、ハーフダラーと同じ大きさだからでしょう。
いや、厳密には同じではなく、ごく微妙にイングリッシュペニーのほうが大きいですが。
まあ誤差程度の微妙な違いなので、普通に見ても分かりません。
むしろ銀貨のほうが膨張色で少し大きく見えるぐらいです。
このような理由で、ハーフダラーと一緒に使う銅貨といえばイングリッシュペニーと、まあ相場が決まっているわけですね。
銀貨と銅貨が関係するハーフダラーサイズのギミックコイン、例えばダブルフェイスコインやCBSコイン、2カッパー1シルバーコインなど、大抵はイングリッシュペニーが使用されています。
イングリッシュペニーをレギュラー的に使用してもいいですが、やっぱり銅貨ではリテンションバニッシュなどが映えないのと、ハーフダラーと違ってエッジのギザが無いので、パームやロールダウンなどはちょっとやりにくいはずです。
大きさが微妙に異なるのには、ときに注意が必要です。
ハーフダラーのエキスパンデッド○○ルは、レギュラーにゆるく嵌まるように作られているわけですが、これを間違ってイングリッシュペニーに嵌めてしまうと悲惨です。
がっちりと固定され、通常の方法では取り出せなくなってしまいます。
以前わたしがやってしまった失敗です^^;
イングリッシュペニー以外の銅貨
コインマジックで使われる銅貨は大抵がイングリッシュペニーですが、ときに第2の銅貨が使われることもあります。
メキシカン・センタボと言われる銅貨です。
センタボはメキシコペソの1/100にあたる補助通貨で、まあアメリカやイギリスのペニーの、メキシコ版というところですね。
上記写真は左から、メキシカンセンタボの裏・表、そして右がイングリッシュペニー表です。
このコインはイングリッシュペニーやハーフダラーよりも一回り小さいところが、ある種のギミックコインに適しているため、よく使われます。
ただ、必ずしもギミックコインのためだけというわけでもなく、例えばJ.B.Boboの”Traveling Centavos”のように、普通に複数枚のセンタボコインを用いるコインマジックも発表されています。
理由はよく分かりませんが、メキシコはアメリカの隣国なので、アメリカ人にとってはセンタボを見る機会もそれなりにあったということなのでしょうか。
これからコインマジック用のコインを揃える皆さんは、センタボはともかく、ハーフダラー5枚程度に加えて、イングリッシュペニーも2枚持っておけば、大抵のコインマジックには対応できるでしょう。
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